世界三大夜景の一つ・函館山

到着して唖然とした。
ロープウェー駅の入口に超長い列ができていたからだ。もちろんロープウェーに乗るためなのだが、なんでこんなにいるのか、そういえば今日がクリスマスイヴだということをまた忘れていた。そのほとんどがカップルである…と思いきや、どうも団体客も半分いるらしい。ぞくぞく団体が駅から出てはバスに乗り込み、かと思いきや今まさにバスが到着してわらわらと単体客がバスからあふれ出していた。
急いで列に並ぼうにもグルッと表を回って裏側に列が伸びていて、バス停から裏側は下り坂になっており、普通に歩いてもたぶん間違いなくコケるだろうなぁ、といった路面状況で、柵に手を添えながら慎重に坂を下った。そして回りこんで列の最後尾に並ぶ。
まさかコミケの直前で北海道で寒空の下、長蛇の列に並ぶとは予想もしていなかった。
だが、これでロープウェーに乗れるわけではなかった。なんとこの列はきっぷを買ってあることが前提でそのままゴンドラに乗り込む列だったのだ。足早に列に並んでしまったが、きっぷの購入列は別の列なのだという、なんだそれ、とばかりに今いた列を抜け出してもう一度今度は柵をつかんで坂を上り、きっぷを購入する列に並んだ。きっぷ自体はすぐに買えたのだが、また一からこの長蛇の列に並ぶのか、と思うと頭を抱えたくなったその瞬間…



冬の花火】函館の空を数発の花火が舞い上がった。
ちょうど18:00の時報とともに何発かの花火が打ち上げられた。冬に花火である。周りのカップルはそれはもう歓声を上げて喜んでいた。自分も何かの記念にとデジカメで撮影したが、シャッタースピードの都合で散り際な花火の写真になってしまった。(笑)
気を取り直して列に並びなおす。
意外にも思ったよりかは列のハケが早く、コミケでもこれくらい早ければなぁ、と数日後に控えた冬コミのことを思ったりもした。


しばらくして順番が来た。今回は10月の時と違って血気盛んな人が多く(笑)一等地の場所は無理だろうなぁと普通にゴンドラに乗り込む。かなりぎゅうぎゅう詰めになりながら扉が閉まり、ゴンドラが発車した。
このまま外を見れば夜景が楽しめるが、あんまりいいポジションでもないので、一番上に行ったところでじっくり見ようと、ずっと横ばかり見ていた。


頂上駅に到着して山頂展望台を目指す。駅を下りて室内に入ると今度はロープウェーを
降りる順番待ちの列がすごくて、あまり上で長い時間いると時間を食うかも…と思った。
階段を登って上を目指す。相変わらずカップル率が高い。階段を登りきって外の展望台に出ると一層寒い空気に身が震えた。あまりこの場所の気温は知りたくないと思った。
一番高い場所に行こうとすると「立ち入り禁止」のロープがはられている…。
しかしそのロープを潜り抜けて上へ侵入してる人間も何人もいるので、自分もロープをくぐって上へと登る階段に侵入した。(すみません)
なんで「立ち入り禁止」にしたかはだいたい検討がついた。
階段がすべるのである。
外に晒された階段は凍り付いていて、柵を持って這い上がっていかないと、とても手ぶらで階段を登れないほどになっていた。柵に手をかけていても何度も足をすべらせながら一番高い展望スポットに登る。
当然ながら絶景のポイントのため、持ち場を離れようとしないカップルが多く、最前列に行くまで結構待った。そしてなんとか最前列へ出ることができた。
そこに広がったのは…。




圧巻!


(;゜Д゜)




まさに圧巻の一言。



…それ以外の言葉が思いつかないほどの景色。10月に味わうことができなかった世界三大夜景の一つをついに、この、クリスマスイヴに一人で。(笑)もういいって?
この夜景が目の前に広がった時、




函館山山頂に駆け上った夜


世界を全て手に入れていた



…と強引な替え歌を頭の中で思いつくほど、それは世界を手中におさめたかのような錯覚を引き起こした。

(歌詞の原型は「OVA新・キャプテン翼」主題歌

「JETZT」が歌う「So Long Dear Friend」より)


かなり強引な替え歌だけど。(ぉ
それはもう…ってさっきからこれしか言えないくらい。素晴らしい。最高。この日でなければもっと最高。(ぉ
しばらくして最前列を明け渡し、立ち入り禁止区域から出る。とにかく地面も滑りやすくてヒヤヒヤものだった。
そんなに長い時間ここにいるのも帰りのロープウェイ待ちで待たされると思い、その場を後にする。別にここで焼き付ける必要もなかった。その後の下り待ちで暖かい室内からガラス越しに夜景を見ることができたので。
感動に打ちひしがれながらしばらく夜景を堪能し、順番になったのでゴンドラに乗り込み函館山山頂を後にする。